生成AI市場が2025年に2兆円突破見込み、オンライン教育が普及の鍵に

生成AI市場が2025年に2兆円突破見込み、オンライン教育が普及の鍵に

矢野経済研究所は12日、国内生成AI市場に関する調査結果を発表した。それによると、2025年の市場規模は前年比87.3%増の2兆1,500億円に達する見込みだという。特に注目すべきは、企業向けAI研修やオンライン講座などの教育分野が急成長しており、市場全体の約25%を占めるまでに拡大している点だ。

調査では、ChatGPTやGemini、Claude等の大規模言語モデル(LLM)を業務で活用する企業が2024年の32%から2025年には58%へと大幅に増加すると予測されている。この背景には、従業員のAIリテラシー向上を目的としたオンライン教育プログラムの充実がある。

特に「AI副業」「プロンプトエンジニアリング」「生成AI活用術」といったテーマのオンライン講座の受講者数が急増しており、Udemy、Coursera、国内のSchoo等のプラットフォームでは、AI関連講座の受講者数が前年比3倍以上に増加している。

企業の人事部門においても、AI研修を必須化する動きが広がっている。大手企業の約40%が2025年度中に全社員向けのAI研修プログラムを導入する予定で、中でもマーケティング、営業、カスタマーサポート部門での活用が進んでいる。

矢野経済研究所の担当アナリストは「生成AI技術の進化により、誰でも簡単にAIを使いこなせる時代が到来している。オンライン教育の普及が、この市場拡大の大きな原動力となっている」とコメントしている。

今後は、業界別・職種別に特化したAI教育コンテンツの需要が高まると予想され、教育プラットフォーム各社は専門性の高い講座の開発に注力していく方針だ。また、AIを活用した個別最適化された学習体験の提供も進み、より効率的なスキル習得が可能になると期待されている。

記事提供
日経クロステック
公開日
2025-11-13