文部科学省、AI人材育成プログラムを全国100大学に拡大へ 2026年度から本格実施

文部科学省、AI人材育成プログラムを全国100大学に拡大へ 2026年度から本格実施

文部科学省は5日、AI人材育成を目的とした新たな教育プログラムを2026年度から全国100大学に拡大すると発表した。このプログラムは、生成AIの基礎から実践的なプロンプトエンジニアリング、機械学習アルゴリズムまで、幅広いAI技術を体系的に学べるカリキュラムとなっており、大学における正規の単位認定科目として実施される。

同省の担当者によると、2025年度に実施した先行パイロットプログラムでは、参加した20大学の学生から「実務に直結するスキルが身についた」「AI分野への就職意欲が高まった」などの肯定的な評価が93%に達したという。この結果を受けて、2026年度からは規模を5倍に拡大し、年間約2万人の学生がプログラムに参加できる体制を整える。

プログラムの特徴として、オンライン講義と対面実習を組み合わせたハイブリッド型の学習形態を採用する点が挙げられる。学生は自宅や大学でオンライン教材を使って基礎知識を習得した後、大学のキャンパスで実際のAIツールを使った実践的な演習に取り組む。また、企業との連携プロジェクトも組み込まれており、学生は在学中に実際のビジネス課題に対してAI技術を適用する経験を積むことができる。

文部科学省は、このプログラムを通じて2030年までに累計10万人のAI人材を育成し、日本のデジタル競争力を強化する方針だ。また、大学だけでなく、専門学校や職業訓練校への展開も検討しており、社会人の学び直し(リスキリング)にも対応できる体制を構築する予定である。

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